【故障診断事例】Porsche 981 Cayman オーディオの音が出ない (BOSEアンプ不良)

【診断対象車両】
メーカー:ポルシェ (Porsche)
車種:981 ケイマン (Cayman)
年式:2014年
車両型式:ABA-981MA123
エンジン型式:MA123
走行距離:71,000km


【症状概要】
お客様の訴え:オーディオの音が出ない
現車確認内容:車両はPCM(Porsche純正インフォテイメント)無しの車両でClarionナビ取り付け車。純正BOSEサウンドシステム搭載車。ご指摘の通り全てのオーディオソースで音が出ない。


【診断条件・再現確認】
常時再現性あり。
オーディオ以外の効果音等も全く音が出ない。
音が出ないこと以外のナビゲーション作動などは正常。


【入力故障コード(DTC)】
オーディオシステムは独立しており車両ネットワークとは切り離されている。


【点検・測定結果】
​Aコネクター:大きいほうのコネクター
Bコネクター:小さいほうのコネクター

BOSEアンプ 常時電源点検(アンプ内側端子より)
“A1″ターミナル30⇔”A2″ターミナル31間
常時 14.01V 良好。
BOSEアンプ アクセサリー電源点検(アンプ内側端子より)
“A24″ターミナル15⇔”A2″ターミナル31間
クラリオンナビ 電源ON時 13.71V 良好
クラリオンナビ 電源OFF時 0.00V 良好

アンプ入力側と出力側をブリッジ結線してアンプレスとして試験
“B3″アンプ入力側スピーカーFR+⇔”A18″アンプ出力側スピーカーFR+
“B12″アンプ入力側スピーカーFR-⇔”A6″アンプ出力側スピーカーFR-
ブリッジ結線すると
音量は小さいがFRスピーカーより音が聞こえる
アンプを介していないため音量は小さいが回路は成立しており
スピーカーは信号を受けたとき無音ではないことがわかる。

上記よりBOSEアンプ本体不良と判断。
不具合はアンプ不良だが、アンプ点検時周辺のカーペットが湿っており
点検の結果助手席側エアコンユニットのドレンホースが外れていた
このことによりカーペットの下が濡れてBOSEアンプ不良につながったと推定


【原因判明・対策内容】
BOSEアンプ 本体交換必要。
​水没しているためアンプ交換後車両復元の上
別不具合が無いか再点検必要。


【作業後の確認結果】
アンプを交換しオーディオの作動が正常になったことを確認。
エアコンユニットのドレンホースを接続し水漏れを改善。
念のためウォーターテストも実施し別の雨漏れがないことも確認の上、車両を復元し修理完了


【まとめ・技術メモ】
今回はBOSEアンプ不良の診断を紹介するとともに、雨漏れ等による湿気が真の原因であったことも紹介できた。今回の件に限らず、ECU故障などの場合には湿度による故障がないか、車内に水の溜まり等がないか、コネクター内に錆や腐食が発生していないかなど、少し意識しておくだけで発見できることが多くなる。もし湿度による故障が疑われる場合は、雨漏れのほかにエアコンドレンの抜け、サンルーフドレンの詰まりなども視野に入れて点検を進める必要がある。

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