【診断対象車両】
メーカー:ランボルギーニ (Lamborghini)
車種:ウラカン (Huracan)
年式:2018年(平成30年)4月
型式:ABA-ZFDKBB
エンジン型式:DKB
走行距離:10800km
※今回上記車両で診断したが、この不具合の対象は前期ウラカン全般(LP580/LP610)対象
【症状概要】
お客様の訴え:走行中メーター上部の水温計(Temp.Acqua)がオーバーヒート表示(赤)になった。
現車確認内容:エンジンの調子は良好で、冷却水リザーブタンクは噴出した様子はない。
【診断条件・再現確認】
数10分~1時間程度試乗すると不具合が確認できる。
高負荷運転をする必要はなく通常運転で再現できる。
インストルメントクラスター上の水温計(Temp.Acqua)は赤色の表示になり、温度計も通常の中央よりも右側になる。
この時診断機上の測定値は水温正常レベル。
車両の状態もオーバーヒートしているような様子はなく誤表示していると推定。

【入力故障コード(DTC)】
使用診断機:AUTEL MaxiSys Elite
入力コード:なし
【原因】
原因:インストルメントクラスター(ダッシュパネルインサート)のアダプテーション値が正しくないため、正常水温にもかかわらずオーバーヒート警告表示してしまう。汎用の診断機やスキャンツールでサービスインターバルをリセット(自動オイルリセット)を実行した際に、このような問題が発生する。
診断機を使用して、ECU 17 ダッシュパネルインサートのアダプテーション値を変更する必要がある。
アダプテーションチャンネル40の数値が50になっている場合、このような症状が発生する。
【アダプテーション値の確認と変更手順】
診断機を接続しECUリストより”17 ダッシュパネルインサート”を選択する。

メニューより”アダプテーション”を選択する。

チャンネル番号の入力に進む。

チャンネル番号”40″番を入力し”OK”を押す。

この時設定値が”50″になっているとき、本件の不具合が発生するものと推定。

“50”になっている場合は”Set New Value”を選択する。

新しいチャンネル値を入力の欄に”00115″を入力する。

“OK”を選択する。
「Set New Value: 115?」と表示されるので”Yes”を選択する。

上記で設定は完了。
設定後、試乗点検を行い不具合が改善しているか確認する。
【考察】
上記の方法で今までオーバーヒート誤表示は全数解決できているが、チャンネル”40″に入力している”115″というアダプテーション値が適切かまでは不明である。
しかしながら今まで診断した同じ不具合の車両は揃ってこのチャンネル”40″のアダプテーション値が”50″になっており、またその値を”115″に書き換えることで改善できているため何らかの関係はあるものと考えられる。

ここからはあくまで考察で余談になるが、
別のメニュー”サービスリセット(プロフェッショナル)”よりアダプテーションチャンネルの一覧を確認できるが、このリストではチャンネル”40″は「サービス開始からの距離(DIST×100)」となっている。
フォルクスワーゲンでもチャンネル”40″や”41″はサービスインターバルのアダプテーション値として馴染みのある番号だが、あくまで汎用診断機の表示のためウラカンがこのチャンネル番号に対して内容が正しいかは不明。
本当は内容の異なるチャンネル”40″をフォルクスワーゲン系の車両のため自動オイルリセットを行うことで誤って書き換えられてしまうのか…と推測しているが正しい内容はわからない。
(正規ディーラーの方に前期ウラカンでこのような症状はよくあるか聞いたところ、聞いたことがないとの回答だったので、正規の診断機によるインターバルリセットでは本件の不具合は発生しないものと推定される)
【まとめ】
真相は定かではないが、いずれにしても上記の対応方法で今まで同一案件は解決できているので、失敗リスクもなく試す価値は十分にある対応方法と思う。同じ不具合があった際はぜひ参考にしてもらえればと思う。


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