【キャブレター講座③】フロートバルブと加速ポンプについて

【はじめに】
この記事は2025年11月9日にブリティッシュモータース様で行われたヘリテージトレーニングデイ第4回「ウェーバーキャブレターの構造、セッティング」に参加したときに学んだことの共有するためのフィードバック投稿である。数回に分けて投稿していく。今回は第3回目の投稿で、フロートバルブと加速ポンプの働きなどについて記載する。


【フロートバルブ】
フロートは樹脂や真鍮で作られており、内部には空気が密封されて「浮き」のようになっており、キャブレターのフロートチャンバー内で、フューエルポンプから送られてきた燃料を一定の量に保つために取り付けられている。

フロートと連動してフロートバルブが動くようになっており、燃料油面が低くなるとフロートが下がりフロートバルブがバルブシートから離れ、燃料がフロートチャンバー内に流れ込んでくる。
逆に燃料油面が高くなるとフロートが浮き上がりフロートバルブが押し上げられるとバルブシートと密着することで燃料の流入が止まる。
こうすることでフロートチャンバー内の燃料の量は一定に保たれる。

オーバーホール時はフロートバルブをシートに押し付けたり離したりしながら、口で通路に息を吹き込んで開閉を確認する。
また、フロートバルブの先端が摩耗して異型になっていないか目視またはルーペを用いて点検する。

※注記
フロートバルブは真鍮なので新品はそのまま組み付けると、当たり面に食らいついて閉固着する時がある。そのため新品組み付け時には、少し手でバルブとバルブシートを擦り合わせて当たりをつけておくと食らいつきを予防できる。


【加速ポンプ】
加速ポンプは急加速時の燃料不足を補う為に取り付けられている。
(EFIで言うところの「加速増量補正」を機械的に行う)
スロットルバルブを急激に開けると、空気の流入に対して燃料の吸い出しが追いつかず、一時的に混合気が薄まりエンジンは「息つき」を起こす。
(加速時一瞬エンジンスピードが失速し力不足になる)
スロットルの操作に対して加速ポンプにより機械的に燃料を押し出すためベンチュリに流れる空気量に依存せず、低回転からの急なアクセルの踏み込みにも反応できる。

ダイヤフラム式の加速ポンプの構造は図のようになっている。
アクセルリンケージに機械的に繋がっており、アクセルを踏むとポンプダイヤフラムにより燃料を押し出す圧力が発生する。
アクセルを素早く踏み込むたびに、ポンプジェットノズルから小さな水鉄砲のようにピュッ、ピュッ、っと燃料が押し出される。

またピストン式の加速ポンプは図のようになっている。
ダイヤフラム式と同様アクセルリンケージに機械的に接続されており、急なアクセル操作に連動してピストンにより圧送された燃料が加速ノズルから噴射される。

いずれのタイプも
キャブレターオーバーホール時に指でリンケージを動かし作動点検すると、正常であればまさに小さな水鉄砲のように燃料を吐出するのが目で確認出来る。
他のキャブレター構成部品と違って受け身ではなく作動し燃料を噴射するが、小さな加速ポンプの噴射量はメインジェットから吸われる燃料に比べると少ない。


【加速ポンプ系の不具合】
ダイヤフラム式の場合はダイヤフラムゴムのひび割れや硬化による作動不良があり、ピストン式などはピストンシールの不良や、真鍮ピストンなど摺動部分が固着しやすい
また、ジェットの穴は非常に小さいため微細なゴミによる詰まりなどにより吐出不良などが発生する。


参考
この記事は2025年11月9日にブリティッシュモータース様で行われたヘリテージトレーニングデイ第4回「ウェーバーキャブレターの構造、セッティング」の内容を元に記載しました。

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