【診断対象車両】
メーカー:ポルシェ (Porsche)
車種:ボクスター (981)
年式:2013年(平成25年)10月
型式:ABA-981MA122
エンジン型式:MA122
走行距離:62,500km
【症状概要】
お客様の訴え:ファンの音が左右で違う
現車確認内容:車両側部の吸入口に取り付けられているエンジンコンパートメントファンの左がハイ作動し、右が作動していない。インストルメントクラスター上の警告表示はなし。
【診断条件・再現確認】
診断機にてアクチュエータテストを実施すると左は作動するが右が作動していないことが分かる
《アクチュエーターテスト》
DME(エンジンECU)⇒アクチュエーター/点検⇒アクチュエーターテスト⇒エンジンコンパートメントファン1・2
※表示される文言は診断機により異なる場合がある
【入力故障コード(DTC)】
使用診断機:ポルシェ専用診断機(メーカー指定診断システム)
《DME 981 B6 自然吸気エンジン EU4 2.7L》
入力コード:P1670 エンジンコンパートメントパージファン1 故障 (限度値超過)
※表示される文言は診断機により異なる場合がある

【点検・測定結果】
アクチュエータテストにてエンジンコンパートメントファンを作動状態にし、コネクター接続状態でコネクター部に作動電圧(14.19V)があることを確認。
上記で右が作動していない状態でファンを加振すると作動しだしたが回転が遅い。
コネクターを外し内部腐食が無いことを確認、ピン接圧に異常がないことを確認。
上記よりエンジンコンパートメントファン右不良と判断。

【アクチュエータテストの注意事項】
テスター上でエンジンECU⇒アクチュエータテストからエンジンコンパートメントファンを選択するが、エンジンコンパートメントファン1が右でエンジンコンパートメントファン2が左ではない場合があるので注意が必要である。
今回のケースではエンジンコンパートメントファン1を選択すると左右のファンがロー作動し、エンジンコンパートメントファン2を選択すると左右のファンがハイ作動した。
上の写真は911(991前期GT3)だがこちらも同様にエンジンコンパーメントファン1を選択するとファンがロー作動、2がハイ作動の制御になっていた。
これについてはポルシェの中でも一様でなく、車種や年式により異なるため確認しながら診断を進める必要がある。
(1が左で2が右の場合もある)
また911(992前期)などは、エンジンコンパートメントファン左、ファン右と明記されている車種もある。
【原因判明・対策内容】
原因:エンジンコンパートメントファン本体の不良
交換部品や整備作業内容:エンジンコンパートメントファン右交換。
交換はアンダーパネル取り外し状態なら手で容易に交換できる。

【作業後の確認結果】
再現確認:診断機によるアクチュエータテストにて作動良好を確認。
試運転結果:作動良好。
DTC再入力有無:無し
【まとめ・技術メモ】
診断、修理の内容はシンプルだが、診断機によるアクチュエータテストの際の注意点があったため紹介した。
今行っているアクチュエータテストが左右を動かすものなのか、右と左独立で動かすものなのかを確認しながら診断を進める必要がある。


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